ビジネスで外国からのお客さまを迎える機会や、職場にいろんな国から来た人がいるという状況はますます増えていくでしょう。出身地域や文化などと関連づけられない、人それぞれの性格や特徴がある、ということは、おそらくもっとも大事なことでしょう。しかし、ビジネスの場で付き合っていく人の出身地域や文化圏について知っておくと、よりスムーズにコミュニケーションが図れることも確かです。よいマナーとされること、避けた方がよいこと、などを事前に知っておくと、信頼関係を築く上でも有用です。
人と出会ったときを例にみてみましょう。
米国では、4,5秒ほど強めに手を握るのが好ましいですが、中東(地域によりますが)では、手の握り方は柔らかめで、米国に比べて、手を握った状態でいる時間が長い傾向があります。相手との距離は、米国では、手を伸ばせるほどの距離がよいとされますが、中東やラテンアメリカではもっと近めに相手との距離をとります。相手がプレゼントを持ってきたとき、相手が米国人の場合は目の前ですぐに開けるのがよいですが、たとえば中国人の場合はすぐに開けないのが好ましい、とされます(日本人の場合もそうでしょうか)。人の家に招かれたとき、時間通りに行った方がいいのは相手がドイツ人の場合。しかし、ラテンアメリカでは、最低30分から1時間くらい遅れていくのが礼儀とされています。
こうした知識は、ビジネスの場だけではなく、旅行する際にも役立ちます。事前に、相手がどこから来るかが分かる場合は、歴史的社会的な知識を増やして、マナーに関する情報もできるだけ得ておくとよいです。「こういう時、どうするのかな?」とその場で迷うこともあるでしょうが、相手に積極的に聞いてみるのが一番ですね。自国や自文化の習慣について聞かれることは嬉しいものです。きっと、会話が弾んでいくでしょう。
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