日本の飲食業やそのサービスについて欧米からの旅行者からよく指摘されること

コンサルティング

日本に多くの外国人観光客がやってくるようになってからしばらく時間が経った。リピーターも増えてくると、以前は気にならなかったことが気になってくる、もう少しこうしてほしい、という点も増えてくるようだ。彼らの要望は、出身国、宗教、経済的背景などによって様々だが、今回は欧米人(この括りも広いが)観光客からよく指摘されることを挙げてみたい。

改善してほしいと思う点

①ベジタリアン対応

以前も書いたが、「野菜多め」が日本でのベジタリアンの定義なのか(?)と思われるような、要注意メニューが今でも時々あるらしい。「ベジタリアン野菜炒め」=「野菜多め、肉少な目野菜炒め」だったりする。大都市部中心や観光地ではそんなことはないだろうが、そうでもない場所ではまだまだ「ベジタリアン」の定義に揺らぎがある。「とくに旅行客少な目な地域の食堂のようなところでは、注文したベジタリアンメニューが運ばれてきたら、食べる前に入っているものをチェックする」というのは在日歴が長い米国人。

おそらく「ベジタリアン」=「野菜多く食べたい人向け」くらいの理解になっているのだろう。少なくとも、肉あり・肉なしくらいは最低書いておくとよさそうではある。

②異なる衛生観念

「食べ物の前で大声でしゃべってほしくない」「直に食べ物を触らないでほしい」という意見が多い。

これは米国人からよく聞く。分かりやすい例は、カスタマイズできるサンドイッチ屋「サブウェイ」。注文の際、パンの種類、温めるかどうか、野菜の種類、トッピングの種類、ドレッシングの種類、追加でポテトはどうですか?セットはどうですか?のような質問、食べていくのか持ち帰りか、などやりとりが多いが、店員さんはむき出しになった食材の前でマスクもなしに大きなで声で話す、のがかなり気になるという人が多い(サブウェイを例に挙げたが、店舗によるかもしれません)。とくに米国では、サブウェイスタイルのデリのような店(お惣菜、チーズ、ハム、サンドイッチを売る店)では、コロナ禍前からプラスチックのシールドのようなものを口元にし、使い捨て手袋を着用している店が多い。欧米のすし屋(プロの板前さんがいるような場所は除いて)では、職人さんも使い捨て手袋を使う。こうした国から日本にくると、どうしても素手で食べ物を触ったり、むき出しの食べ物の前でおしゃべりする、という部分に抵抗を感じるのだろう。

確かに言われてみれば、屋台の店でも、マスクや手袋はあまり使用されていませんね。親しい人に限るのでしょうが、一つの鍋から各自の箸を使って食べ物をとったりもします。こういう習慣も欧米人にとっては信じられないようです。海外の日本食レストランでは、鍋は一人ずつが原則です。他人の唾液、その飛沫に関して日本の人は比較的寛容なのでしょうか。

③マニュアルを意識させるサービス

日本の多くのチェーン店では、マニュアル通りに店員さんがサービスを提供する。こういうサービスの様子に日本らしさを感じるようです。「いらっしゃいませ。こんにちは。…」店員さんの軽いおしゃべりをするのが当たり前という国から来ると、マニュアル通りな対応はきっと味気なく感じるのだろう。何度も通う店の店員さんの名前を覚えて、下の名前で呼び合ったり、差し支えない程度の個人的な情報を交換したりすることも日本ではほとんどない(とくにチェーン店)。

客「いつもありがとう。もうすぐ誕生日なんだよね。」

店員「じゃ、いつもよりサービスしとくよ」って感じのコミュニケーションをきっと期待している。ただこの3つめの指摘は相当カルチュラルです。そう言われても、、、と。

スターバックスの店員さんはこのあたり少しトレーニングされているのかなと思わせる感がありますね。

外国人観光客が感じていることにどう反応、対応するのか、しないのかはそれぞれの判断だろう。ただ、こういう声を聞いたことで、現状のサービスについて改めて振り返ってみるいい機会になるかもしれない。参考程度に。

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